僕のとなりは、君だけ。

俺はその場から動けなくて、ただ立ちすくしていた。

そんな俺に気づいた奏は、笑顔で俺の所へと走ってくる。

「何してんの?帰ろうよ!!」
と、当たり前に俺の後ろへと乗ってくる。

いつも以上に機嫌がよく鼻歌を歌いながら俺の背中に手を回してくる。

帰り道、俺が話しかけても少し浮かれ気味に曖昧な返事しか返ってこない。

先輩の事を想っているの?
そう考えると、切なくて胸が痛くて痛くて
こんな痛みは始めてで、少し泣きそうになりながらペダルを漕いだ。