その日の夜…
「あー、やっぱさみーな」
10月半ばになり、夜も肌寒くなってきた。

最後に保健室を出る時のさっちゃんの
さみしそうな顔が忘れられなかった。

「だからって、マンションまで来たらやべえよな…」

そう言って明かりのついている
さっちゃんの部屋を見上げた。

それと同時に、俺の携帯が鳴る。

着信…さっちゃん
すぐに電話に出た。

「…ひっく…渚君…私ね、やっぱり渚君が好きぃ…」

「俺もね、さっちゃんが好きだよ」

「あのね、渚君がねどんどんかっこ良くなっていってね女の子のファンが増えて私なんて釣り合わないんじゃないかって…不安になったの…」