僕のとなりは、君だけ。

先輩の言葉に涙が溢れてくる。

「振り向くなよ!振り向いたら、また抱きしめるから!笑」

後ろから声が聞こえてくる。

気づけばLINEも着信履歴も1番上に
なっていた。
優しくて憧れの先輩…
どんな私も優しく待ってたくれた。

好きになってくれて、ありがとうございます…
心の中で呟き、全力で走り出した。

さっきいた駅を通り過ぎて、
通学路を走り抜ける。

こんなに走ったのは久しぶりで息がしにくい。

外は真っ暗になっていて、
グラウンドには誰もいない。

「帰っちゃったのかな…」
諦めも入り、家に帰ろうとした。

「佐野先輩!」

振り返ると、広瀬さんがいた。
私の元へと駆け寄ってきて
「小田先輩ですか?先輩はあげませんよ。私のものです」