僕のとなりは、君だけ。

「昨日の今日で失恋かよー。早いよ。笑」

「先輩…」

「言わなくていいから。分かってるから。好きなんだろ?あいつが」

「…はい、好きです。」

「初恋は実らないって言うもんな。笑」

そう言って私を抱きしめた。

「ごめん、少しだけこのままでいさせて…」

しばらく先輩に抱きしめられたままだった。

「奏ちゃん、サッカー部まだ練習してたよ。走れば多分間に合うから…」

戸惑う私から離れてくるっと私の体を反転させる。

そして、強く背中を押して
「いっておいで!」
と私を送りだしてくれた。