「俺は、お前といると楽しくてずっと笑ってられたよ…」

「でも、特別な存在にはなれなかったです。先輩の特別はずっとずっと佐野先輩ですよね?」

広瀬は泣きながらも笑顔を無理矢理作って

「先輩が佐野先輩をずっと見てた様に私も先輩を見てきました!頑張って下さい!橘先輩になんか負けないでください!」

「…ごめんな。そして、ありがとう…広瀬!」

始めて名前で呼ぶと広瀬は照れ笑いをし
「じゃ、先に戻ってて下さい。私はここの片付けをして戻ります」

「分かったよ、ありがとう」
そう言って、ドアを閉めた途端広瀬の
すすり泣く声が聞こえてきた。