先輩の誘いを断ってしまったから
すぐ帰る訳には行かず…
教室からサッカー部を見ていた。

どこにいてもすぐに見つけてしまう。
ボールを追う優の姿…

休憩になると真っ先に優にタオルを渡す
広瀬さんの姿が目に入る。

いつも隣にいて優を支えている。
私の知らない姿…

悔しくて心が苦しくて涙が出てくる。

「あー…私、いつからこんなに好きになったんだろ…」

教室の端で私が泣いてる事も知らずに
グラウンドを笑顔で走る優を見つめた。

気づけば空は茜色になる。

「帰ろうかな…」
重たい腰をあげて鞄を手に取った。