早苗と頑張る!と約束したものの、
何も動けずにいた。

…そう、広瀬さんの存在だ。

「あいつと広瀬、付き合ってるらしーぜ!」

「まじかよ!?俺、広瀬狙ってたんだけど…」

男子が騒ぐ視線の先には、
私達の教室の入り口で話をする優と広瀬さんだ。

「なー、佐野!あいつらどーなの?」

「え!?知らないよ!!」
男子達の視線がいきなり私の方に向く。

「まじかよー、やっぱ付き合ってんのかな。お似合いだよなあ」

…優と広瀬さん、お似合いだよね…
男子達の言葉に俯く。

「違ーよ!あいつら付き合ってなんかないからな!」

ぱっと、前を向くと渚君が助け舟を出してくれた。