私はその光景を遠くから見つめていた。

「何やってんだよ!帰るぞ?」
優の声で我に帰返った。

「え、あ、うん!」

「まだ熱中症なんじゃねーの?笑」
優の後ろへと飛び乗った。

後ろから優を見つめる…

気づけば同じ位だった背も伸びて
小さかった背中も大きくなって
手も身体もゴツゴツして筋肉もついて
少しずつ、大人へと近づいている。

変わらないのは小さい頃と同じ笑顔だ。
笑うとえくぼが出来て可愛い笑顔…

ちっちゃい頃から当たり前に乗っていた
優の後ろに他の誰かが…広瀬さんが
乗る、なんて考えたくもなかった。