新チームになって、始めての試合…
俺は奏を見に来るよう誘った。

奏は少し驚いてたけど、笑顔で返事をしてくれた。

一応、俺達は県大会常連の強豪校だ。
その10番をキャプテンマークを背負っている。

「あー、緊張する…」
試合当日、変な緊張に襲われた。

「緊張する位なら、呼ばなきゃいいのに。笑」
渚がからかうように言った。

「うるせーよ。行くぞ!」

試合開始のホイッスルが鳴る。
グランドを走りながら観客席を探す。

…いた。
昔から奏がどこにいても、すぐに見つけれる…

声は聞こえないけど、タオルを握り一生懸命に俺の名前を呼んでくれている。

「…よっしゃ」
スイッチが完璧に入った。