ご飯を食べ終わるとすぐに自分の部屋へ逃げた。
下からは楽しそうに話をする奏と両親の声が聞こえる。

「うっぜぇ…」
そう呟いて、ベットへと飛び込んだ。

コンコン
「優…寝てるの?」
いつもは、ノックなんてしないくせに

「何だよ」
自然と返事は冷たくなる。

「えっと、私…帰るね!」

「…じゃーな」
いつもなら奏が家に入るまで見送ってるのに

避けたい訳じゃないのに…
近くにいればいる程、手に入らない事が
幼なじみの壁が余計に辛くなる。

胸がモヤモヤを越えて張り裂けそうに痛んだ。