「どうだ!?奏ちゃん?笑」

親父が奏に問いかける。
困った表情で答えを探す奏…

結局、橘先輩が好きなんだろ…

心の中でポツリと呟いた。
テーブルの下の拳を固く握り、
「そう言えばさ、今度の練習試合の相手がさ…」

両親に別の話題をふった。
サッカー好きの両親は俺が話題をそらした事に気づかず
練習試合の話を聞いてくれた。

奏の顔を見ると、泣きそうな顔をしていた。
そんなに俺との結婚の話が嫌かよ…

奏の表情にイライラして、この夜は一言も話はしなかった。