そんな事を思い出しながら、グラウンドに行くと
ボールが転がってきた。

拾い上げたら先輩が走ってきたけど
あれ?いつもの先輩の笑顔じゃない…

「先輩、何かあったんですか?」

「俺らの事、よく見てんな!」

違う、違うんですよ。先輩だけなんです。
思わず口から溢れてくる言葉をそのままぶつけた。

何とも想われてないのは、知ってたけど…

「驚いた顔してたなあ…」
気持ちを告白した後、先輩の前から走って逃げた。

「ずっと、ずっと先輩だけを見てきたんですよ…」
呟きながら、まだ早朝の空を見上げた。