「そうだ、今日は特に予定はなかったんだよな?」
「はい。ありませんよ?」
「学校が終わってから、話がある。一号館の正面の出入口で待っているから」
「今は駄目ですか?」
「長くなるだろうからな」

 先生に集まるように言われて、二人は会う約束をしてから、それぞれの道を進んだ。

「それでは」
「場所を間違えるなよ。一号館だからな」

 時間が経過するのは意外に遅くはなかった。二限目から始まる授業はそれほど退屈ではなかった。
 だけど、昼食は学食で味が濃いものを食べたのに、味気なさを感じた。いつも向かい合わせにいる涼葉がいないだけで料理の味まで変わってしまう。
 三限の授業が終わってから真示が一号館へ行こうとしたときに涼葉を発見した。それに見知らぬ男も立っていた。雰囲気から察すると、男が告白をしているようだった。