「涼葉・・・・・・」
「何ですか?」
「うわっ!」

 真示は思わずよろけそうになったが、足で踏ん張った。目の前には涼葉がいたので、驚いて声を上げた。
 涼葉も真示に名前を呼ばれたので、驚いていた。

「涼葉、まだ授業は終わっていないだろう?何をしているんだ?」
「学校内にある花の写真を撮影して、後から資料を集めて、その花について調べるのです」
「楽しそうだな」
「はい!この授業は好きです!真示先輩は何をしていたのですか?」
「俺は散歩」
「そうだったんですね。この授業を一緒に受けていたら、もっと楽しくなっていたかもしれませんね」

 花が好きな涼葉は家に数種類の花を育てており、携帯電話やカメラで花の写真を撮影することもある。
 花が咲いたような彼女の笑顔を見て、真示は嫌いではないとさらに強く思った。