真示は涼葉の首に腕を回したまま、涼葉の髪に顔を埋めた。そのとき涼葉は大きく跳ねて顔を赤くしていた。
 他の学生達が通っていても、真示は涼葉にくっついたままだった。

「真示先輩、そ、そろそろ・・・・・・」
「どうしてだ?さっきの話からすると、お前は俺のことを好きだと言っているように聞こえたんだけど、違うのか?」

 涼葉は黙って横を向いたので、真示は声を出させようと涼葉の耳に息を吹きかけた。

「きゃあ!!」
「俺のことを無視するからだ」
「盗み聞きをする人に教えたくありません!」
「わかった。もっと学生が多く通るところでキスでもしようか」
「嫌です!真示先輩、私のことを好きでもないのに、そんなことをするのはどうかと思います!」