【短】180度のラブバトルⅣ -家柄編-

なのに知らないって…単に赤間が本を読まないだけ?それともマジで数え切れないとか?


「えっと…どこだったかな?あっ、あった」


パッと目についた植物図鑑をパラパラと捲っていると、赤間は隅っこの本棚から本を数冊取り出した。


「ハイ藍枝さん。紙袋に入れとくね」


「あ、ありがとう!」


赤間が取り出したのは私が読みたがっていた小説で、持ち運びが楽な様に紙袋に入れてくれたのだった。


やった!やっと読める!


「じゃあ本も借りた事だし…私帰るね。また明日」


用事も済んだし、早く帰ろうと、私はドアに向かおうとした。