私の後ろには両親の幽霊が居るの…?
「ちょっと…待って…社長…俺はその幽霊とか苦手なんだけど…」
ルイの顔がみるみる、青ざめて来る。


「何…幽霊でビビッてるの?ルイ…怖がりだな…」

そう言ってる結生さんも麻有の背中に隠れていた。


「そう…怖がるな…蘭莉さんのご両親だぞ…失礼だろ?」

「そう言われても…苦手なんだもん。仕方がないじゃん」

ルイはシンの背中に逃げ込み、震える。


「…君の両親は涙を流して…君の姿を喜んでいる…」

みんな…怖がってるけど…

樋口社長の言葉で私の目には今にも涙が零れそうだったーーー・・・



「まだ、式は始まっていない…涙を流すのは早すぎるよ…蘭莉さん」


「仕方がない…俺たちは列席者席に行こうか?麻有」


「そうね…」




結生さんと麻有、ルイとシンは控室を出ていった。



「どうした?リン」




「…蘭莉ちゃん…俺は君のおかげで…那子と復縁出来た。ありがとう…」




「リン…!?」




「…まだまだ…俺と那子の仲は公表出来ないから…みんなには内緒ね」


リンはそっと唇に立てた人差し指をあてる。



「わかりました。内緒にしておきます…」