「蘭莉ちゃんの父親代わりは俺なの…お前ら…さっさと列席者の席に帰れ」



「あの…結生…言い忘れたコトがあるんだけど…」

麻有が結生さんにコソコソと耳打ち。



「失礼するよ…」



モーニング姿の樋口社長が入って来た。




「ずっと…仕事で遅かった…結生には言いそびれてしまって…」



「ええ~っ!?マジで…」



「私の独断で…樋口社長に父親代わりをお願いしちゃったんだけど…いい?蘭莉」



「いいけど…」



「これは美しい花嫁姿だ…天国のお父さんとお母さんも君の花嫁姿を後ろで見ているよ」



「私の後ろ…ですか!?」



私は樋口社長の言葉を訊き、振り返って辺りを見たけど…誰も居なかった。



「俺の本職は陰陽師でね…普通の人には見えない…人ではないモノが見えるんだ」