少しだけ二人で話がしたいと奏多は俺を店の裏に連れ出した。


奏多は煙草を咥え…ライターで火を点けて吸い始めた。




「あんたも吸う?」



「俺は遠慮しとく」


「そうか…なぁ?蘭莉からは俺のコト…何て訊いてるんだ?」



「幼なじみだけど…交際を申し込まれ…フッて気まずくなったと訊いていた」




「俺は蘭莉にプロポーズしたんだ」



「プロポーズ?」


「でも、蘭莉にとって…俺は幼なじみ以上にはなれなかった」


奏多は少し寂しげに空に向かって紫煙を吐き出した。




そして、俺に頭を下げた。




「…蘭莉は気が強くて…何でも…自分だけで解決してしまおうとする女だけど…助けてやって欲しい…」



「…お前の言う通り…何でも一人で背負い込んで…甘えるのも下手だ…でも…可愛い女だ…安心しろ…俺は蘭莉と結婚するつもりだ」