「何だか凄く気合入ってるけど…」



「そうかな?」

私は克己の視線に怯み、背中に変な汗が滲み出て来る。



「…蘭莉ちゃんは…『ウィング』のファンらしいね」


「はい…リンたちは仕事ですよね」


「仕事だと思うけど…あいつらのスケジュールなんて俺、知らない」


結生さんは全く弟のリンたちには興味なさそうに漏らした。



「でも、彼らは人気ありますよ」



「大手のギャラクシーに移籍してルイが加入してから…国民的なアイドルになったよな。でも、あれは事務所の力だよ…まぁ、俺の会社も弟たちにあやかり…儲けているから…その点は感謝してる」