「んっとー。おかかの
おにぎり一つください」
仕方なくわたしはおかかの
おにぎり一つと
自販機でかったコーヒー牛乳を
お昼ご飯にし、ユウと
中庭へ向かう。
すると
ドンッ
と、誰かにぶつかってしまった。
わたしはよろけ後ろへ
転びそうになった。
そんなわたしの腕を誰かが
グイッと引っ張った。
「大丈夫か?ごめんな」
「あ、大丈夫です。
こちらこそすいません」
「ケガがなくてよかったよ」
そう言うと走って行ってしまった。
顔が見えなかったため
誰だかわからなかった。
お礼言いたかったなあ。
そう、少し後悔しているわたしに
ユウが声をかけた。
「あずっ。平気?」
「大丈夫だよー」
「ってか、あずすごいね!」
「なにが?」
「だって!あの月野先輩と
話せたじゃんっ!!」
「月野先輩...?」
嫌な予感が頭を遮る。
「そうだよっ。あず、月野先輩に
ぶつかっちゃって、月野先輩が
あずの腕引っ張って助けて
くれたんだよーっ!」
あ。まぢですか。
「そうなんだ。
なんかラッキーだね」
「めっちゃラッキーだよ!」
ユウ、めっちゃ笑顔じゃん。
あはは。まさかあの月野先輩に
助けられちゃうなんて。
