だけど違ったんだ。






形の変わった車。


真っ赤な海。


泣いて叫ぶわたし。



全てを悟ってしまった。





暗闇に浮かぶ、大きな満月が




憎い。綺麗なはずなのに醜い。




視界が歪む。




か細くなった蝉の音が消えようとすると同時に




わたしの全てが消えてしまった。






とても綺麗な満月の夜。





それから、わたしは嫌い。





空が、夜空が大嫌い。