ヒトが住む世界の反対側、対になる世界。
きらきらと絵に描いたような星が広がる夜空。
反転した真っ黒な月が輝いて暗い世界を照らしている。
魔女と呼ばれる者たちが作り出した、独創的な世界。その世界には魔女と猫、二つの生き物しか存在しない。
この世界には昼間なんてない。夜だけが存在を許される。ここではゆっくりとした時間が流れている。しかしその時間は早いのか遅いのか…
ヒトの世界は時間が流れるのが早い。自分に残されている時間を急いで生きている。1秒も無駄にしないように動いている。ヒトにはその行為を意識して行っているわけではない。が、魔女たちにはその行為は自分の寿命を縮めているようにしか見えないのだ。
そう、ここは美しい世界。
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