酒と焼き鳥臭い居酒屋ばかりの商店街を通ると、小さい看板が見えた。
片野の目指していたレストラン。
ここで合コンがあるらしい。
彼はその店の前で止まった。
「ここか…」
片野は溜め息混じりに呟いた。
すると、後ろから声が聞こえた。その図太い声には聞き覚えがあ子だった。
「おう!片野!」
「あぁ、渡邉(ワタナベ)さん。」
合コンに誘ってくれたのはこの人だ。
渡邉とは幼馴染である。
相変わらずぽっちゃりが治らない男だ。
「お前、店に入んないのかい?もしかして緊張でもしてんのか?」
渡邉は馬鹿にするように片野の顔を覗き込んだ。
