「あの、僕帰ってもいいですか?」 「駄目だよ、片野ちゃん。これからが楽しいんだ。」 「渡邉さん、言っておくけどここは居酒屋じゃない。レストランだ。」 「大丈夫大丈夫!」 一体何が大丈夫なのだ。 片野の頭の中はモヤついた。 「とりあえず、お先に失礼します。」 そう言って片野が席を立とうとすると、 「あ...あの!」 突然、透き通った声が彼を引き止めた。