入学式が始まった。
左胸に造花をつけた穂乃花たちは、吹奏楽部だと思われる人たちの演奏が鳴り響く中、講堂内に入場した。
みんな緊張した面もちで、姿勢を正して席についていく。
中学の時と同じで、校歌斉唱、校長先生からのお祝いの言葉や在校生からの歓迎の言葉などが述べられ、ついに新入生代表の挨拶になった。
「新入生代表、1年C組 橘 穂乃花」
「はい。」
そう、入試をトップで通過し、特待生として入学した穂乃花は新入生代表の挨拶をしなくてはならなかった。
「本日、私たちは暖かな春の陽気と桜の木々に見守られ……」
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