「ねぇ、聞いた?神崎先輩に彼女がいるって!」

お昼にいつもと同じように南と同じようにお弁当を食べていると、そんな話が聞こえた。

思わず声のする方をむくと、喋っていたのは最近仲良くなったあゆちゃんだった。

南がその話に割り込んだ。

「なに?その話。私達にも聞かせて!」


あゆは驚いたようにこっちを振り返ったけれど、穂乃花と南をみると微笑んで言った。

「うん!もちろん!」


だが穂乃花はそんなあゆに微笑み返す余裕もなく、ただひたすらさっき耳にした言葉を頭の中で繰り返していた。


(煉先輩に彼女…。)