だからたまに不安になる。

(みんなの憧れの先輩と、こんな風に関わってていいのかなぁ。)

穂乃花は不安を掻き消すように、先輩から目を離し、勉強に集中した。




***


練習が一段落したらしく、先輩が窓に近寄 ってきた。

穂乃花も手をとめて先輩に向き直る。
「はい、先輩。」

穂乃花は先輩にタオルとスポーツドリンク を差し出した。

「えっ。いいのか?」

先輩は戸惑ったように言う。

「はい。これでよかったら使ってください 。」

穂乃花は遠慮がちに微笑む。

「……。」


煉先輩は何故か顔を赤くした。