神埼先輩が窓に向かって走ってきていたのだ。

先輩は窓に近づくと、コンコンっと窓をノックした。

穂乃花は慌てて窓をあける。


「ごめん、ボール蹴り損なって窓に当てちまった」

神埼先輩が穂乃花に話しかける。
穂乃花は慌てて言った。

「いえ、全然大丈夫です。」

「そう。良かった」

先輩は安心したように言った。

「俺は神崎 煉。君は?」

「えっ…。私は橘 穂乃花です」

「へぇ、穂乃花か。……あれっ、君」

「どうかしましたか?」

名前で呼ばれ、穂乃花はどぎまぎしていると、先輩は急に考え込むような顔をした。