屋上を出て教室に戻り、支度をしてから校舎を後にした。

ふと思い立って、グラウンドのほうへ足を向ける。

そこはいつものように大勢のギャラリーで賑わっていた。

(先輩見れるかな。)

穂乃花はなんとなく先輩がプレーしている姿をみてみたかった。

1人でこっそりと練習している姿ではなく、大勢の前で輝いている姿を。


今は練習試合のようだ。

神埼先輩にボールがまわってきた。
敵をかわし、ゴールへ向かっていく。先輩がシュートを決めた!

そのとたん湧き上がる歓声。

「神埼くん、すごい!」
「キャーーーッ、先輩やっぱり天才!!!」
「神埼先輩カッコイい!」