彼の後ろ姿



思いっきり歌を歌いたい。そんな気持ちに支配されていた。


「───夢とは なんて…」


澄み渡るような歌声。


聞いている人の心を優しく包み込むような、そんなそれでいて心に染み渡るような、そんな歌声。







───ガタンッ


「…………。」


───この歌声を誰かに聞かれていたことを穂乃花はまだ知らない。