───放課後───

「南、行くぞ!」

拓也が南を呼んだ。拓也も穂乃花たちと同じクラスだ。


「はーい!
じゃあ穂乃花、また明日ね!」

「うん!南部活ファイト♪」

「ありがと~」

南と拓也はバスケ部に所属している。2人は中学の頃からバスケ部のエースとして有名だった。

穂乃花は部活には入っていない。勉強時間を確保するためには、部活をする時間がなかったからだ。


「よし。」

私は南を見送った後にある場所へと向かった。



キィィーー

少しさびれた音がして、扉が開く。
風が吹き、穂乃花の茶色い髪を揺らした。
穂乃花は左手で髪をおさえる。


ここは屋上。


最近穂乃花は放課後の屋上で歌を口ずさんでいた。