これは本当の話だ。



今日の現代文の授業中に先生から教科書を読むように言われた。

「橘。橘、橘 穂乃花?」

「はっ、はい!」

「どうした?話を聞いていないなんて。橘にしては珍しいな。」

「すみません。」

「いや。勉強しすぎて疲れてるんじゃないのか。ムリはするなよ。」

「すみませんでした。」


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(最近の私はおかしい。)


朝の第二図書室で過ごす時間が楽しみになった。
今までは成績のために勉強をしているだけだったが、今では心のどこかで彼がくるのを待っている。


彼がサッカーボールをたずさえて窓の外に現れるのを。