今日も始まった。
「調子のるなよ!?
 お前うざいんだよ!」
「きしょいー死ねー。
 ほんと死んでくれない?」
「優香に文句言うとかざけんなよ!?」
「…ごめんなさい!
 私優香さんの文句言ってません!」
さっきまで黙っていた佐々木さんが泣きながら言う。
「はぁ?
 嘘言うなよ!」
「ほんとです!
 信じて!」
「優香どうする?」
「佐々木さん。
 ほんとに私の悪口言ってない?」
「はい!」
「…何その笑顔?
 モップ持ってきて。」
佐々木さんの顔が曇る。
「えっ…?」
「ありがとう。」
モップを思いきり佐々木さんの顔にぶつける。
「きゃぁぁぁぁ!」
周りのみんなも見てるのに見てみぬふりをしている。
佐々木さんと仲が良かった茜ちゃんも無視。
いじめって最悪だよね。
今まで信じてた子にも裏切られるし。
悲しいよね。
佐々木さんはモップで顔がぐちゃぐちゃになっていた。
「うゎー。
 最高だね~!」
「グスッ…グスッ…ウゥ。」
「辛いよね。
 だから今日で終わりにしてあげる。」
「ほんとですか!?」
「優香は嘘つかないわよ。」
佐々木さんが安心した顔でこっちを見る。
「汚いからこっち見ないで?」
「すいません。」
「土下座してよ?」
「はい………。」
佐々木さんやりすぎ。
まぁまたこんないじめに会うと思うと怖いよね。
今まで見てみぬふりしてたしね。
それ以上醜い姿見るのもいい加減ダルい。
「ちょっとあなた達!!
 何してるの!?」
先生が来た。
「あっ…横山さん…。
 あなたがいるなら大丈夫ね。
 じゃあ…。」
先生が部屋を出ていった。
何で私が何も言われないか。
ここは私立で私の家はお金持ち。
それでママとパパはここの学校に寄付してる。
だから私は何も言われない。
何をしてもね。

「あー今日の佐々木最高だったね♪」
「そうかな?
 人間は醜いよね。」
「何でそう思うの?」
「今日の感じを見て。」
「ふーん。」
いじめグループの葵とアイスを食べながら夕日をながめる。
何だか昔を思いだす。
昔ママとこうしてアイスを食べた。
昔だけど。
今は家に帰ってもほとんど1人だし。
「じゃあ帰ろっか♪」
「うーん。」