黄昏に香る音色

安藤理恵。

明日香は、知っていた。

少し前、テレビで特集していた。

海を越え、世界で認められた歌手。

日本人でありながら。

伝説の歌手。


でも、自殺したと…。



恵子は目を細め.....

「2人は、すぐに惹かれ合い…愛し合ったわ」

恵子は、CDを見つめていた。

「そして、あたしを捨てて…健司は、理恵さんと2人で、アメリカに渡ったのよ」

恵子の悲しげな表情に、明日香は、胸を締め付けられていた。

恵子は、扉のKKのロゴに再び、目をやった。

「彼なしでは、あたしの音は、生まれない。だから…彼が、いなくなって…あたしは、歌えなくなった。KKは、1人じゃないから…」

恵子はCDを、棚にしまった。

「理恵さんが、亡くなって、すぐ…彼も、後を追うようにして、アメリカで亡くなったわ」