「それより…昨日言ってたことは、本当なのか?」

手を離しても、高橋の目が麻里亜を離さない。

震えが止まらない麻理亜に一歩近づき、


高橋は耳元で、何か呟いた。

麻理亜は、何度も頷いた。

高橋は、にやっと笑うと、

顔を上に上げた。

そして、誰もいない空間を睨んだ。

渡り廊下の手摺り。

さっきまで、明日香とゆうがいた空間を。