黄昏に香る音色

明日香は、フラフラしながら、階段を降りていく。

階段の真下に、

高橋がいた。

明日香は、高橋に気づかず、

階段を降りると、隣をすり抜けていく。

「香月さん」

高橋は振り返り、明日香に声をかけた。

それでも、明日香は気づかない。

「香月さん!」

高橋は叫んだ。

やっと気づき、明日香は振り向いた。

「高橋くん…」

高橋は笑顔を見せると、深々と頭を下げた。

「昨日はごめん」

ぼおっとしていた明日香も、高橋の行動に、びっくりして、

我に返った。

「き、昨日のことなら…高橋くんは、悪くないから。謝らなくいいよ」

高橋は首を横に振り、

「いや、俺の責任だ。あんなこと言わす前に、とめるべきだった」

「気にしないで。あたしも手を、だしたし…」

まだ、何か言おうとする高橋に、

明日香は、軽く頭を下げると、

「気にしないで下さい」

また歩きだした。

まだ…頭がぼおっとしてる。

これ以上会話なんて…明日香にはできなかった。