男の子。

手摺りの佇む男の子の周り…そこだけが、周りのオレンジの光より、さらに濃く…

まるで、夕陽のスポットライトに照らされてるように、輝いていた。

それは、手を伸ばせば、掴める…夕陽そのものに、思えた。

男の子の表情は、わからないけど、

なぜか…

とても切なく、

泣いているように感じた。

それは、もうすぐ沈んでしまう夕陽のように…。

消えることを、おそれているみたいに。

夕陽はまた、明日もあるというけど…、

昨日と今日が同じとは、限らない。

ただ…男の子は、グランドを見つめながら、悲しげだった。

だけど、その悲しげな姿に、

どこか切なさと、美しさを、明日香は…感じ取っていた。