二人が帰った後、

明日香はもう一度、エリス・レジーナをかけた。

和美本人のアルバムをかけたら、

仕事には、ならなくなるだろう。




マスターが来たため、

明日香は、終電前に帰ることになった。

電車を乗り継ぎ、家に帰る。

短大を卒業し、実家に戻ってきていた。

家に着くと、荷物が届いていた。

アメリカから。

和美からだ。

日付を見ると、グラミーの前日だ。

中を開けると、

テープと手書きの楽譜と、手紙。

明日香は、手紙を読んだ。


(親愛なる明日香ちゃんへ。書かないといいながら、曲を書いちゃった)

(だから、あなたに、これの曲の詞を、書いてもらいたいの)

(あなたと、初めてのコラボになるわね)

(次のアルバムに、絶対いれるからね)




明日香は、手紙を持ったまま…その場で、泣き崩れた。