自分でかわいいと言って、恥ずかしくなる紗理奈。

「へぇ〜そうかもな」

他人事のように話す牧村を、

紗理奈は少し、睨んでしまう。

この人は、一体何なのだろう。

こんなにデートを重ねてるのに…。

今までの男だったら、もう付き合って、

住んで、

別れてる頃だ。

それとも…。

水商売の女は、嫌なんだろうか。


紗理奈の気持ちに気付かずに、

牧村が言った。

「じゃあ…俺とも、今度から、高いところにいかないとな」

紗理奈は、牧村に殺意を抱いた。

「そうね!でもその前に、お客なら、店に来て下さい!」

フンと、早足になる紗理奈に、

さすがに、悪かったと思ったらしく、

追いかけながら謝る牧村。

「ごめん」

無視する紗理奈。

「本当ごめん!デリカシーがなかった」


そうこう言ってる間に、カラオケに着いた。
カラオケ店のロビーの広さに、感動する牧村を連れて、

少し広い部屋に通される。

ビールとウーロン茶。

後は適当に、唐揚げとかを注文する。

早速、本をめくり、曲を探し…すぐにいれる紗理奈。

店員が、先にドリンクを運んでくる。

ビールは牧村。

ウーロン茶は紗理奈。

乾杯する。

紗理奈は、できるだけ休みは、お酒を抜きたかった。