啓介の言葉に、

明日香は、どう返していいのか…わからなかった。

戸惑っていると、駅に着いた。

「俺…二番線だから」

明日香は一番線だ。

手を上げて、去っていく啓介に、

明日香はやっと、正気に戻って、

思わず叫んだ。

「啓介さんの音!いつも、感動してます!」


「ありがとう」

啓介は微笑みながら、

明日香とは、違う電車に乗っていく。

明日香が、手を振ると、

啓介はずっと笑顔のまま、

軽く手を振った。


電車は、発車した。