黄昏に香る音色

夕焼けに、

優しく照らされた明日香。

トランペットも優しく、中音域の音を奏でる。

(あたしは…高い音とか、叫ぶ音とか嫌いみたい)

ゆっくりとゆっくりと囁くように、

でも、心に残るように…

あなたの笑顔が、

あたしの中に残ったように。

そう。

あたしの音は黄昏。

昼間のように、輝いてもいない。

夜のように、暗くも神秘的でもない。

その間の黄昏。

あなたと過ごした黄昏の優しさが、

あたしの音になる。



少しフェイクをくわえながら、

最後のフレーズ…

最後のメロディーを遊んでみる。

終わるのがいやだから。

でも、

夕焼けは短いの。

ゆっくりと、目を開けながら、

渡り廊下を見つめながら、

明日香は、演奏を終えた。