明日香は、変な空気を感じ…少し後退る。
「…今日はトランペットを…持ってませんから…また次回ということで…」
滝川は、ニコニコしながら、
後ろに隠してあったものを、明日香に差し出す。
「こんなことがあろうかと…ブラスバンド部から、拝借してきました」
ああ…トランペット…。
はめられてる。
逃げようにも
出口をいつの間にか、
里美達に塞がれてる。
ニコニコと滝川が、トランペットを押し付ける。
屈辱だが、仕方がない。
明日香は、トランペットを受け取ると、
もともとついていたマウスを外し…ポケットから、いつも使っているマウスを、取り出した。
恵子が言っていた。
マウスは、使ってると自分の唇の形がつくから、
つねに、同じのをつけなさい。
(あなたの口づけよ)
明日香は、周りを見回すと、
そっと…渡り廊下の方に、ペットを向けた。
夕焼けに染まった渡り廊下……。
そういえば…
あなた。
言っていたわね。
あたしの音が、聴きたかったと…。
今は、黄昏。
あなたに届くかしら。
(ゆう…)
明日香は、目をつぶり、静かに吹いた。
静かに、
優しく、そっと、
あなたに、触れるように…。
あなたとの口づけの
想い出とともに。
「…今日はトランペットを…持ってませんから…また次回ということで…」
滝川は、ニコニコしながら、
後ろに隠してあったものを、明日香に差し出す。
「こんなことがあろうかと…ブラスバンド部から、拝借してきました」
ああ…トランペット…。
はめられてる。
逃げようにも
出口をいつの間にか、
里美達に塞がれてる。
ニコニコと滝川が、トランペットを押し付ける。
屈辱だが、仕方がない。
明日香は、トランペットを受け取ると、
もともとついていたマウスを外し…ポケットから、いつも使っているマウスを、取り出した。
恵子が言っていた。
マウスは、使ってると自分の唇の形がつくから、
つねに、同じのをつけなさい。
(あなたの口づけよ)
明日香は、周りを見回すと、
そっと…渡り廊下の方に、ペットを向けた。
夕焼けに染まった渡り廊下……。
そういえば…
あなた。
言っていたわね。
あたしの音が、聴きたかったと…。
今は、黄昏。
あなたに届くかしら。
(ゆう…)
明日香は、目をつぶり、静かに吹いた。
静かに、
優しく、そっと、
あなたに、触れるように…。
あなたとの口づけの
想い出とともに。


