家に帰り、

ご飯を食べ、お風呂に入った後、

明日香は、里美に貸すCDを探していた。

マイルス・ディビス…リー・モーガン…ケニー・ドーハム。

トランペッターしかない。

後は、KKと…安藤理恵…啓介のお母さん。

(このCDは…)

明日香は、CDをぎゅっと抱き締めた。

「ゆう…」

ゆうが、明日香にくれたもの。

幻のような恋だったけれど、

こんなにまだ…

胸を締め付けるなんて。

あれから、何ヶ月かたったけど、

まだ忘れない。

この思いが、消えることなんてない。

消したくない。

明日香は、泣いてる自分に気づき、自分で涙を拭うと、

理恵のアルバムをかけた。

一度聴いただけで、

明日香は、それからトレイにのせていない。

あまりにも、絶望の音だから…。

音楽が、流れだした。