体育館と南館をつなぐ、広い渡り廊下に向う為、

香月明日香は全力で、走っていた。

いつもより遅れている。

渡り廊下は正門から離れている為、放課後はほとんど人が、寄り付かない。

でも、そこからは、夕焼けに照らされたグラウンドを、一望することができた。

部活を眺める為。

特にサッカー。

躍動するリズムは、どこか音楽を想像させた。

いつのまにか興味を持った…音楽。

明日香は、グラウンドの動きを眺めながら、

リズムの中から、メロディを探すことが、日課となっていた。