渡り廊下の下をくぐり、

右に曲がると、校門までは一本道だ。


しかし、望の姿はない。



太陽が沈む照り返しが、眩しくて、目を刺激した。

黄昏の中、ゆうはただ走った。

校門をくぐり抜け、左に曲がると、駅まで直線で三百メートル程だ。

だけど、望の姿はない。



駅につき、定期がないことに気付いたゆうは、

切符を買おうと自動販売機に走った時、




電車は出た。



「うおおおっ!」

駅を飛び出し、発車した電車をおいかけるが、


間に合うはずもなかった。


だけど、ゆうは電車が見えなくなるまで、線路に沿って、全力で走った。