谷沢の友達の一言は、

あたしの心を抉った。

いたたまれなくなり、渡り廊下に入ることもできずに、


あたしは、その場から立ち去った。

放課後の誰もいない廊下を走るあたしの背中に、渡り廊下から響く…笑い声が突き刺さった。



ゆうのストーカーという話は、すぐに広まった。

もともとグラウンドで部活をしている生徒は、毎日渡り廊下から眺めるあたしのことを、知っていた。

(ああ…あの子!毎日、グラウンドを見てたけど…サッカー部のストーカーだったんだ!)

毎日…という言葉もストーカーであるということに、拍車をかけた。

時間がたつにつれ、教室内のあたしを見る目が、変わる。


「あの子…ストーカーなんだって…」

クラスでも、あまり仲良くない子が、こそこそ話しているのが、わかった。