明日香の微笑みに、

優一は、我にかえった。

(フッ…)

と、心の中で、少し笑うと、優一は、明日香に近づく。

過去は、過去。

今は、今。

決して、同じじゃない。

(それは、わかってるんだけど…)

ここに来ると、

幻を願う。

学生の自分が、

ここにいるような…

錯覚。

いや、

(願望だな)

優一は、自らに苦笑した。

あの頃は、当たり前だった学校という存在と、過ごす時間。

今は、永遠に戻れない。

例え、

今、ここに立っていても…

戻ることなんて、できない。