黄昏に香る音色

高橋の声が、廊下にこだまする。

高橋の目に、薄らと涙が浮かぶ。

「どうして、わからないだ!俺は、前から、君が、好きだった!それなのに」

高橋は、手に力を込めた。

「君は、あんな男と!ずっと、グラウンドから、君だけを見てたのに!君は…あんな男と、仲良くしやがって!」

明日香は、頬を押さえながらも、高橋を睨んだ。

「あたしが、誰と仲良くしょうと、あなたには、関係ないわ」

「好きだと、言ってるだろ!」

高橋は、明日香の腕を握り締める。

「あなたは、里美の彼氏でしょ!」

明日香の言葉に、高橋は目を丸くし、

やがて、にやっと笑った。

「彼氏?」