黄昏に香る音色

kkの音。

恵子と健司の音。

切ないけど、やさしくて暖かい。

希望もある。

だから、

明日香は憧れ、KKを追いかけている。

絶望を望む人も、いるかもしれないけど、

今の明日香には、必要なかった。

絶望しても、また元気になればいい。

無邪気に、そう思う明日香は、

まだ、

本当の悲しみを、知らない。

絶望は、選ぶものではなく、

知らないうちに、

希望や幸せが、変わってしまったもの…かもしれない。

それを、乗り越える力がなければ、

人は、容易く堕ちていく。

そう堕ちていくのだ。

嫉妬や悲しみや…絶望に。

理恵と健司。

恵子と健司。

人は、愛する対象が変われば、

奏でる音や、

本質さえ変わるのだろうか。

幸せとは何。

絶望を選んでしまった人…かもしれない…

健司のことを考えてしまう。



明日香が心の中で、自分では理解できない思いに、葛藤した時、

いきなり、

携帯が鳴った。

里美からだった。